- 行政書士試験に独学で合格したリアルな体験談
- 一度不合格になった反省点
- 勉強時間
- 再受験の勉強スケジュール
- 合格を勝ち取った要因
- 独学で苦労した点
この記事の執筆者
はじめまして、ショウと申します。現在42歳で食品メーカー本社の管理部門で働いています。勤務時間は8:30-17:30の8時間で残業は月次決算期以外ほとんどありません。通勤時間は徒歩20分なのでプライベートな時間は割とある方だと思います。
しかし、試験を受けた当時は子どもも小さく手がかかっていたので、勉強に充てられる時間という意味では少なかったです。
過去に行政書士試験は2回チャレンジしており1回目が令和元年度試験、2回目が令和3年度試験です。不合格だった令和元年度試験は合計点162点で、内訳は択一式138点、記述式24点でした。合格した令和3年度試験は合計点が190点で、内訳は択一式180点、記述式10点でした。
1年目で落ちた反省点は「宅建試験と同時に勉強して時間が足りなかった」こと
1回目の試験が不合格だった原因は「勉強時間が足りなかったこととそれに起因して知識が浅かったこと」です。
私は法学部出身ではなく、むしろ理系だったので全くの法律初心者からのスタートでした。勉強を開始したのは令和元年度試験の約1年前(平成30年12月)からです。
巷では「行政書士試験の勉強時間は800-1,000時間で足りる」と言われていたりしますが、ある程度のベースとなる知識がないと800-1,000時間では足りないと思います。
私は行政書士試験を受けた令和元年度に宅建士試験も受けています。行政書士と相性の良い資格として宅建士が挙げられますが、宅建士試験にも民法があり行政書士試験の勉強と重なる部分があります。
行政書士と宅建士のダブルライセンスへの憧れと、どうせ同じような勉強をするなら両方目指してしまおうという感覚でした。
実際の宅建士試験は民法のほかに宅建業法や法令上の制限(建築基準法や都市計画法など)、不動産関係の税に関する問題が出題されるので、宅建士試験のために別途必要な勉強時間も確保しなければなりませんでした。
10月の宅建士試験の直前2ヵ月間は行政書士試験と宅建士試験の勉強を並行して行っていました。これが不合格になった原因の「勉強時間が足りなかったこととそれに起因して知識が浅かったこと」に繋がります。
ちなみに宅建士試験は合格したので最悪の事態は免れましたが、反省点としては複数の資格の勉強を同時並行でやるのは「無茶だった」ということです。
合計1,500時間の勉強で合格
おおよその勉強時間は平日休日に関わらず、朝1時間・夜1時間の1日2時間ほどです。朝子どもが起きてくる前の1時間と夜子どもが寝静まった後の1時間で勉強をしていました。
特段、直前期だから勉強時間を増やすということはせずに逆に日々同じペースを保つことを意識していました。私は暗記物を紙に書き写して覚えたり、問題の解答をいちいち紙に書き残したりする勉強スタイルはしませんでした。
時間がなかったためです。すべて頭の中で暗唱したり回答したりしていました。書かないと覚えられないという方もいると思いますが時間を短縮するには「書かない」というのは有効です。
私は2回受験していますので合計するとおおよそ1,500時間ぐらいは勉強したと思います。勉強時間のうちで大きく時間を割いたのは択一式の法令科目対策です。
勉強配分で言うと憲法25%、民法30%、行政法35%、商法・会社法10%ぐらいになります。択一式の一般知識対策として日々のニュースに耳を傾けることも意識して生活しました。
また記述式は択一式の対策が進めば自ずと書けるようになるだろうと考えて直前期まで手つかずのままでした。多肢選択式も同様でした。行政書士試験は高得点を取る必要がなく、細かな要件はありますが試験全体の得点が180点以上あれば合格になるので、択一式で180点を超えることを目標に対策を立てました。
再受験時の勉強スケジュール
令和2年12月~令和3年5月は前年度の復習
令和元年度試験から1年のブランクを経て、令和2年12月より令和3年度試験に向けて再始動しました。令和元年度試験の時に勉強した知識がまだ残っていると感じたため、改めて参考書からやる必要はないなと思い、前半の半年間(令和2年12月~令和3年5月)は法令科目ごとに問題集を2周(3か月で1周)することを目標に取り組みました。
私は行政書士試験用の問題集を使用せずに公務員試験用の問題集を使用しました。公務員試験用の問題集の方がより幅広く深く問われる問題が多く、知識の理解を深めるのに役立つと思ったからです。
公務員試験用問題集として有名なのが「本気で合格!過去問解きまくり」と「新スーパー過去問ゼミ」だと思いますが、私は「本気で合格!過去問解きまくり」を使用しました。書店で両方を見比べて、より問題数が多いこと、より解説が詳しいことが選んだ理由です。
憲法、民法Ⅰ・Ⅱ、行政法の4冊を準備して、3ヵ月で1周終わらせるには1日何ページ進めれば良いかを計算しました。「本気で合格!過去問解きまくり」はページ1枚の表に問題、裏に解説が掲載されているのでページで管理しやすかったです。憲法は3ページ、民法Ⅰ・Ⅱは各5ページ、行政法は7ページぐらいのボリュームで進めていったと思います。
軌道に乗ってくると朝の1時間は前日進めたページを復習し、夜の1時間でその日に進めるページをやるようにしました。これは夜に覚えた知識が睡眠中に定着するという話を信じてやっていたからです。
朝は前日夜に覚えて睡眠中に定着した知識を復習し、夜は新たな知識を入れるという感じです。個人的には効果があったように思います。前半期を予定通りこなして後半期へ入りました。
6月~10月は肢別過去問、文章理解、一般常識
令和3年6月~10月は「本気で合格!過去問解きまくり」を1ヵ月で1周することにしました。すでに2周しているのであとは量をこなして知識を定着させようと思ったからです。
並行して「合格革命 行政書士 肢別過去問集」、「本気で合格!過去問解きまくり」の文章理解、「センター試験 現代社会の点数が面白いほどとれる本」をやり始めました。
「合格革命 行政書士 肢別過去問集」は令和3年6月~10月の5ヵ月で3周することを目標にして、科目ごとの問題数を確認して1日に何問進めれば良いかを計算して取り組みました。
公務員試験用問題集でそれなりに広く深く勉強できていましたが、肢別過去問集では解けない問題もチラホラあり、知識の穴埋めに役立ちました。
「本気で合格!過去問解きまくり」の文章理解も5ヵ月で3周することを目標にしました。行政書士試験の一般知識では文章理解が必ず3問出題されますが、こちらの問題集が理解できれば本番でも難なく解けると思います。
「センター試験 現代社会の点数が面白いほどとれる本」は読むだけなので1日に数ページをすき間時間にパラパラと読むようにしました。こちらの本は世界や日本の政治、人権問題についても触れられているので憲法の復習にも役立ちました。
行政書士試験の一般知識では何が出るか分からないので深入りせずに浅く幅広く日ごろからたくさんのニュースに触れることが大切な気がします。
直前期は模試と記述式の対策
直前期では肢別過去問集と記述式対策をメインに行いました。9月にLECの全日本行政書士公開模試を会場で受けました。自宅でも受験できますが、実際に会場へ行って受験する雰囲気も経験しておきたかったからです。
模試の結果は合格点には到達していませんでしたが、気にしませんでした。この模試では実力を試すというよりも理解できていない分野の洗い出しの意味合いが大きかったです。
択一式で間違えた問題は復習して取りこぼさないようにしました。一般知識は予備校がデータを駆使して作成しているのですべて解けるように復習しました。
一番出来なかったのが記述式でした。記述式は択一式の対策が進めばできるようになると思っていましたが、思うようにできなかったので市販の記述式問題集を2冊やることにしました。
「合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集」と「みんなが欲しかった!行政書士の40字記述式問題集」の2冊です。
今振り返ってみて、記述式でしっかり点数を取りたいなら条文の理解を深めることだと思います。記述式は条文をそのまま書くような問題もでます。記述式は問いに対してどの条文の内容が問われているかを判断できることと40字以内で文章をまとめることが重要です。私は記述式問題集の問いと回答を丸暗記する形で勉強しましたが本番では暗記した問題は出ずに撃沈しました。
10月に実施された宅建士試験が終わったころから行政書士試験に向けて追い込みを掛けていきました。市販されている予想模試を2冊(LECとTAC)をやってみました。こちらも理解できていない分野の洗い出しが目的です。結局最後まで「わからない問題を見つけ出しては復習すること」の繰り返しでした。
択一式のみで180点を超えることを目標にしていましたが、市販の予想模試では一度も超えることはありませんでした。市販の予想模試は本番よりも難しくなっているので気にしなくても大丈夫です。こんな状態で私は本番に臨みました。
試験を受けてみて、合格を勝ち取った要因
私は本番で、基礎法学→憲法→行政法→民法→多肢選択式→一般知識→記述式→商法・会社法→記述式の順番で解いていきました。記述式は一度問題に目を通してみてすぐに書けなかったので商法・会社法を解いた後に戻って解きました。
本番で解くのに要したおおよその時間は、基礎法学・憲法・民法・行政法で60分、多肢選択式で15分、一般知識で30分、商法・会社法で10分でしたので、記述式に60分以上時間をかけることができました。
試験結果は合計点が190点で内訳は択一式180点、記述式10点でした。択一式の正解数は基礎法学1/2、憲法4/5、民法6/9、行政法17/19、商法・会社法1/5、一般知識11/14で、多肢選択式の正解数は10/12です。
本番当日の夜に予備校が出す解答速報を見ながら自己採点をしました。次々に〇が付いていく自分の解答を見て「いけるかも!」ととても興奮したことを覚えています。会場模試や市販模試では味わったことのない感覚でした。
振り返ってみて、択一式の法令科目でしっかり点数が取れたことと一般知識で11問正解できたことが合格に繋がったと思います。法令科目はきちんと勉強すれば実力相応に得点できると思います。
一般知識は運の要素もあるので何点取れるのかはやってみないと分かりません。結果的には自分の持っている知識と問題がうまくマッチして11問も正解できたので運が良かったのかもしれません。もちろん対策をした文章理解は3/3で正解でした。
私は商法・会社法が苦手だったので、対策もおろそかになりました。特に会社法は条文が多いわりに試験の問題数が少ないので時間がない人は私のように思い切って捨てる選択もありだと思います。商法は条文も少ないので商法の1問は必ず正解できるように対策しました。
記述式は、3問中1問はなんとか書き上げましたが、2問は的外れな回答でした。前述しましたが、記述式でしっかり点数を取りたいなら条文の理解は欠かせないと思います。
私は問題を解きながら出てきた条文を覚えていくスタイルでしたが、これだと抜け落ちがありました。条文の素読をした方が良いのでしょうが、私は時間がなかったので問題を解きながら出てきた条文を覚えるスタイルにしました。
独学で苦労したところはモチベーションの維持と勉強方法の不安
モチベーションを維持することと点数の伸び悩みからの脱却に苦労しました。モチベーションを維持するために私は家族に合格することを公言して自分を鼓舞しました。
あとはSNSで同じ年に行政書士試験を受験する方をフォローして勝手に仲間意識をもっていました。それから会場模試を受けて「みんな頑張ってるから自分も頑張ろう」とモチベーションを上げました。とにかく苦しい思いをしているのは自分だけではないんだ、みんな頑張ってるんだと思うようにして孤独を感じないようにしました。
点数は、テキストを読んで問題集を解いていけばある程度の正解率は超えてきます。しかしそこから点数が思うように上がっていきません。しかも初見の問題が解けないという問題も起こります。
なぜこのような状態になるかと言うと、条文の理解と法的思考力が足りていなかったからです。いうならば木の枝葉ばかり見て幹を見ていなかったのです。条文の理解と法的思考力が足りていないと初見の問題で「問題集で解いた似た問題の答えがこうだったからこの問題の答えはこれだ」のような根拠に欠ける解答の導き方をします。これではいつまで経っても点数は伸びません。
条文の理解は面倒くさいですし大変ですが、基礎をおろそかにしてはいけませんでした。結局は急がば回れということです。独学される方は自分のやり方が合っているのだろうか?もっと他の人は先に進んでやっているんじゃないだろうか?など不安になることが多いと思いますが、自分を信じてやり続けること、基礎をおろそかにしないことを心がけると良いと思います。
行政書士試験の独学には、理解が難しい部分が出てくることがあります。特に民法の理解は重要です。そんなときに役立つのが通信講座。今の時代、通信講座なら格安で分かりやすい講義を受けることができます。
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